綾部動物病院

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マダニに気をつけて、おでかけしましょう!

?? だんだん涼しくなってきて、わんちゃんを連れて遊びに行く最適のシーズンになりました。皆さまは、もうどこかに遊びにいかれましたか?



 今回は、公園や河川敷、山などの草むらにひそむマダニについてお話いたします。



~ マダニ ~



 ダニといっても何百種類もいるのですが、マダニは動物の皮膚につき、家の中に住む肉眼では見えないダニとは異なります。マダニは固い皮に覆われていて、家にいるダニよりもかなり大きいのが特徴です。マダニは昆虫でなく、分類上はクモに近い仲間で、8本の足を持っています。



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~ マダニの一生 ~







 マダニは、卵から孵化すると卵すぐに血を吸うために動き始めます(幼ダニ)。そして動物が出す熱や振動、吐く息の二酸化炭素などを感知して、鋭い爪で足などの毛にしがみつきます。



 動物に乗り移ったマダニは、顔や耳、お腹、足など柔らかい皮膚のところにとがった口を刺し込んで血を吸います。一度刺し込んだ口は、セメント様物質で皮膚にがっちりと固定されてしまうため、簡単にはぬけません。



 マダニはお腹いっぱい血を吸うと、その体重は吸う前の200倍にもなります。マダニは一度地面に落ちて脱皮します。そして一回り大きくなって(若ダニ)、また動物に乗り移って吸血し、地面に落ちて脱皮します。それをもう一度繰り返して大きくなります(成ダニ)。成ダニになると3000個から4000個もの卵を産み、そこから孵化した幼ダ二が、また吸血を始めるのです。



~ マダニの生息場所 ~



 生息場所は、山や公園、河川敷などの草むらが主です。



~ マダニによって引き起こされる病気  《ペット編》 ~



《 犬バベシア症 》



 バベシア症の原因となるバベシア(ピロプラズマ)原虫を持っているマダニが、犬を吸血した時に感染します。このバベシア原虫は犬の赤血球に寄生し、重度の貧血を引き起こします。貧血のため、歯ぐきや目の結膜は白っぽくなります。重症の場合には黄疸で黄色っぽく見えることもあります。また、破壊された赤血球の色素が尿中に出るため尿が非常に濃い色になります。元気や食欲がなくなり、一度感染すると完治することは難しく、重篤な場合は死に至ることもあります。



imageca4gl2pn.jpg←赤血球に寄生したバベシア(ピロプラズマ)原虫



《 ライム病 》



 ライム病はその原因菌であるボレリア菌を持っている野ネズミやシカ、野鳥の血を吸ったマダニが犬を刺すことで感染します。感染すると関節が腫れたり、足を地面に着けなかったし、発熱、神経過敏などの症状がみられます。



《 皮膚炎 》



 マダニの唾液には、血液を固まりにくくする物質と組織を破壊する物質が含まれているため、刺されたところはとても痒く、動物が掻き壊すことによって皮膚炎になってしまうことがあります。皮膚炎を起こすとその部位は腫れ上がり、時には気にして引っ掻くことでさらに炎症をひどくしてしまうことがあります。痕が残ることもあります。 



《 猫ヘモバルトネラ症 》



 マイコプラズマ・ヘモフェリスという病原体は、マダニやノミを介してネコに感染するといわれています。この病気になった猫は、血液中の赤血球が破壊されて貧血となり、症状が悪化すれば死に至ることもあります。



~ マダニによって引き起こされる病気 《人間編》 ~



《 日本紅斑熱 》



 日本紅斑熱は、病原体であるリッケチアを持ったマダニ類に刺されることで感染する病気です。宮崎県では、例年数名の患者が発生し、特に宮崎市、日南市に患者数が多い傾向にあります。頭痛、高熱などの症状が急激に発症し、発熱とともに米粒大の紅い斑点が、多数出現し、全身に広がります。痒みがないのが特徴です。早期に適切な治療を受ければ予後は良好ですが重症化すると痙攣、意識障害などを引き起し、死亡することもあります。



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《 ライム病 》



 ライム病の原因菌であるボレリア菌を持っているマダニが人間を刺すことで感染します。感染すると刺された箇所は紅斑、そこを中心に徐々に輪状に拡大していきます。この皮膚症状のほか、リンパ節の腫れや筋肉痛、関節痛、時にインフルエンザのような症状を伴なうことがあります。



~ マダニの予防 ~



 マダニに刺されないようにすることが重要です。



 マダニは野山や畑、草むらなどに生息しており、山や川へのレジャー、山間部や田畑での農作業などが主な感染機会となっております。



①飼っているワンちゃん・ネコちゃんには、月に1回、ノミ・マダニ駆除剤(背中の皮膚に垂らす液体タイプ)をつけて、予防しましょう。市販のノミ・マダニ駆除剤は効果がありません。動物病院で扱っている製品を使用しましょう。マダニの多い場所に遊びに行ったときは、帰宅後、ワンちゃんにマダニやノミがついていないかチェックして、ブラッシングやシャンプーをしましょう。



②人は長袖、長ズボンなどで肌の露出を少なくし、防虫スプレーを使用しましょう。



③むやみに草むらや地面に座ったり、寝転んだり、衣服を置いたりしないようにしましょう。



④吸血しているダニを除去しようとして、ダニをつまむと、その圧力で病原体を体内に注入してしまうことがあります。ダニを取るときは、ダニの口の部分をピンセットではさんでとりましょう。



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 マダニから感染する病気の中には、恐ろしい病気もありますが、しっかり予防すれば心配はありません。



 宮崎には、山や川、海などとても豊かな自然があります。今の時期は、紅葉のきれいな山や公園でのハイキングにはもってこいの季節です。ワンちゃんを連れて、自然の中を歩き、風の音、森林や花の匂い、鳥の声、四季折々の自然の移り変わりに触れてみましょう。



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生駒高原と西都原古墳群のコスモス



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平和台公園と綾のつり橋の紅葉



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猪八重渓谷の紅葉と滝



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えびの高原のすすきと紅葉




 

※ 全院で、夜間診療は行っておりません。